おやすみ
「・・…眠れないのか」
「お?」
がば、と起き上がって声の方を見上げた
あれ、起しちゃったかな?
そこにはスコールが立っていた
寝起きなのか、寝癖がついていた。

「いーや、ちょっと高い所じゃ寝れないからさー!」
「・・・・・・・・」
「スコールはお子様なんだから、寝てろって、な?」
“お子様”という言葉がひどく気に入らなかったのか、スコールの痛い視線が突き刺さった
あ、お子様はまずかったか・・・・・あーでももう言っちゃったし
謝ろうと考えていたら、隣に座り込んできた。

ああ、きっと彼はわかっているんだ
はぐらかしても無駄、かな?


「あんたのせいじゃない」
「うん」
「確かに少しは、というか二人で罠にかかりすぎだが」
「はは、そりゃどーも」
どっちが先にクリスタルを手に入れるかの競争をしてる!だなんて言ったら
スコールは子供の遊びじゃないんだ、と怒られたっけ?
でも遊びじゃなくて本気なんだけどな

バッツはどこを見るわけでもなく、考え事をしていた。
するとしばらくしてそれをスコールが見つめていた。

「・・・・・すぐに合流出来るさ」
「うん」
普段無口な彼がこんなにも言葉にするのは珍しかった。
スコールはスコールなりに元気づけようとしている心づかいがうれしかった
どうもそれが顔に出たのか、しゃべるのをやめてしまった。

「どうした?」
「…いや」
「気になるだろ?」
「・・・・何でもない」
そう言うとスコール立ちあがって、寝床にしていた場所に戻ろうとした
気づいたら視界にはスコールしか居なかった


「スコール」
「・・・・・ッ?!」
少し背伸びをしてそのまま頬に唇を触れさせた

「おやすみ」
「・・・・・・子供じゃない」
はいはい、と笑ってそのまま一緒について行った。
今日はぐっすり寝れるだろうな
スコールの耳が赤かったのをからかったら、しばらくは寝れなかったけど

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