black snuday
「・・・・・・・」
1400か、寝すぎたな
スコールはだるそうに寝がえりをした
カーテンの隙間からはすでにオレンジがかった光が差し込み始めていた

「・・・?」
手に取った携帯電話を見て思わず眉間にしわがよった
最近しわがよりすぎだ、とキスティに注意されたばかりだが
スコールはしばらく17件もある不在着信をどうしようかとにらめあっていた。

「あ、」
18件目の着信
どうもサイファーは“今日も”暇らしい
「・・・なんだ」
『お前今起きたのか?』
「・・・・・・(眠い)」
『いいから早くあけてくれ』
「え?」
驚いてベッドから落ちた
どすん、とすごい良い音が響いたが、かまわずドアまで走った

「はあ〜待ちくたびれたぜ」
「・・・・・・・」
「ほら、手伝えよ」
手渡されたたくさんの紙袋とビニール袋はかなりの重さだった
サイファーは抱えるようにそれを持って入ってきたのだ。それも顔が見えない・・・
スコールは面倒くさそうに荷物をキッチンまで運び、しばらくサイファーを見つめていた
今日はオフだったようでサイファーはTシャツにジーンズというラフな格好だった

「それで、何しにきた」
「おう、お返しに来た」
「・・・お返し?」
よくよく見れば、中身は全部チョコレートの山だった
・・・普通キャンディーとかクッキーとかそういうものじゃないのか?
スコールはカカオ78%のチョコレートを手に持って不思議そうな顔をしていた

「ちょっと待て、お返し?渡した覚えがない・・・」
思えばバレンタインデー自体、・・・任務だったような?
ゆっくりと顔を見上げれば、嬉しそうにチョコレートを出すサイファーがいた。

「いや逆バレンタイン?でも今日はホワイトデーだろ?
だからブラックデーって勝手に決めて何か作ろうと思って。なかなかいい提案だろ?」
もう気付けばサイファーは何かを作り始めていた
相変わらず料理は地味に手際が良いと思う
見た目より実際おいしいのも事実だ


「主役はどうぞお休みになって下さいよ?」
「なんで疑問形なんだ」
「いや、さっき寝てたから」
「いや・・・ここにいる」

時刻は1500前
スコールは嬉しそうに料理をするサイファーを見つめていた
こんな休みも悪くないものだ




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