Conjugal Love?
「サイファー!あれは一体何のつもりだ!?」


スコール声が指揮官室に綺麗に響いた
「サイファーなら朝早くからドールで任務じゃなかったっけなぁ?」
スコールも朝からそんな大声なんて、元気だね〜とつぶやくアーヴァインを横切って
そうか、と小さい声で答えてそのまま自分の席についた。

「なに?今日も二人はケンカでもしたの?」
「……(も、は余計だな)」
「スコール?」
「手が止まってる」
はいはーい、仕事しすぎはよくないからね〜とアーヴァインのつぶやきはすでに耳の外に弾かれていた
スコールは手元の資料を見つめながら、パソコンの入力作業に徹した


モニター越しにあの花は何だろうか、と手元にあるもので調べようとしたが、木のような枝だったのと
見たこともなかったものだったのですぐに断念した
……面倒なことをしてくれたものだな

スコールが朝起きるとデスクの上に花瓶に飾られていた花があったのだ
どう見てもサイファーの仕業でしかなかった
何故花なのか、そもそも何がしたかったのか、スコールには見当もつかなかったのだ
朝から頭を痛くさせるなよ…サイファー

何枚目かになる報告書に目を通して、時計をみるとちょうどいい時間だったので昼休みにすることにした
アーヴァインとセルフィからお昼の誘いを受けたが、まだ少しやりたいことがある、と言って断り
一人になった指揮官室でスコールはため息をついた



「……」
今日も暑い日なのだろう
推定なのは冷房がきいた指揮官室からでないからである
窓の外を見れば、とても強い日差しがさしこんでいた

「あ、お前ここに居たのか!」
「………」
スコールは一人の世界を一気に壊されたせいか、すごい不機嫌な表情になった
しかしそんなことは気にせずにサイファーはずかずかとこちらに向かってきた


「俺のロ〜マンティックな演出はいかがでしたか?スコール殿?」
「朝起きたら勝手に花瓶があって勝手に枝みたいな花が差してあることのどこが
ロマンティックなのか説明してもらおうか、サイファー・アルマシ―?」
やけに早口な自分に驚いて、まるで怒っているようだと思ったが無愛想な自分にとってはあまりかわりがなかった
その言葉を吐かれたサイファーはサイファーでもっとゆっくり話せよなぁと言いながらデスクに座わられてしまった

「そこは座る場所じゃない」
「なんだよ、やけに気が立ってるな」
「あんたがそうさせてる」
「あぁ?!本当にわからなかったのか?」
サイファーは驚いたような顔をした
その顔はとても間抜けだな、と喉まで出かかったが飲み込んだ
「わからないから聞いているんだ」


「花言葉は夫婦愛なんだぜ?」
「誰もそんなことは聞いてない」
スコールはサイファーが何が言いたいか全く予想できなくて
デスクの上をとんとんと指で叩きながら思考を巡らせていた
サイファーはスコールが本当にわからないことに、少しため息をついたがすぐに持ち直した

「菩提樹って木の花なんだ。
一週間前から探したんだがなかなか見つからなくてな、苦労したんだぜ?」
「……」
ボダイジュ?なんだ、その樹は
それがどうしたら俺の部屋に飾られることになるのか、さっぱり理解できなかった
少し冷房の風が冷たく感じたその時だった

「まだわからねぇのかよ。せっかく朝一に来たのにな」
「?」
サイファーが隣まで寄ってきた
そして耳元で囁くように

「お誕生日オメデトウゴザイマス、指揮官殿?」
「……ぁ」
また小さい声が出た
しかしそれはサイファーの顔があまりにも近かったから、驚いた、の声である

昼休みはまだ終わりそうにない

Happy Birthday!! Squall!!


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