kill time
『悪いが今日は忙しいんだ。あんたには付き合えない』

今日は、じゃなくいつもの間違いだ
主の居ない部屋で一人いらいらしていた。

『サイファー、明日はあなたは休みでいいわよ?』
『う〜わ〜サイファーだけ、休みかよ!』
『だけとは、なんだ!チキン野郎!』

突然に言い渡された休みってもんは、案外何をすればいいのかわからなかった。
サイファーはスコールの部屋に押し掛けていたが、スコール自身はすでに仕事で部屋を空けていた
どこかで釣りでもしようか
それともカードか、


外を見ると眩しいぐらい青い空が広がっていた
「くそ!」
イスを蹴ってそのまま部屋を出た
風紀でも取り締まるかと思ったがそんな気分でもなく
気づいたら訓練場へと足を運んでいた。



「サイファー!!」
「なんだ、お前か」
「なんだ、お前かじゃない!何だこれは」
朝以上にスコールは声を張り上げていた
そしてすぐにカドワキ先生に静かにおし!と怒られた

「これ以上喧嘩するなら出て行ってからしなさいな。
スコール、ほら、これ薬だらか持って行ってちょうだい」
カドワキ先生は俺に予備の包帯を渡して、スコールには薬を渡した
するとスコールは俺を見ることなく、保健室から出て行ってしまった。

「…なんで、あんたはこうすぐに「うっせーな!」
痛い視線が突き刺さっていたが話を続けた
俺が悪いんじゃねえ、多分だが

「ちょっと調子に乗りすぎただけだ」
「ちょっと、だと?」
さっきから丁寧に薬を塗るスコールと、ついに目があった
少し訓練場でやらかしただけだ、俺的に言えば
暇つぶしに行ったはずが、つい本気になってやりすぎただけ
まあ、利き腕の方を少し怪我したのは悪かったと思うが、
わかるだろ?
サイファーがずっとスコールを見つめていたせいか、スコールは逆に視線を反らした

「もうあんた一人の休みは当分ないだろうな」
「任務もしばらく出来ねーしな、そこは悪かったって」
「…今度は誰かと一緒にいるようにさせる」
するすると包帯が巻かれていった

「……じゃあ、お前との休みなんだな?」
「!?」
「もう暇つぶしの休みは当分無さそうだな」
にやり、と笑うと
スコールは恥ずかしかったのか、それとも意識して言ったつもりは無かったのか
「ばか!」と小さく叫んで出て行ってしまった。


「さて、次の休みはロ〜〜マンティックなデートでも考えてやるかな」
しばらくは楽しめそうだ
サイドテーブルにあった、コーヒーを一気飲みした。
外は星空に変わっていた

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