very hot holiday
「スコール?」
ああ、なんだよ
「スコール、起きろ。いくら夏だからって腹を出すな、腹を」
そう言われてようやく視界が明るくなった
まだ眠いのかスコールはしばらく微動だにしなかった
外からは白い眩しい光がゆらゆらと差し込んでいた
空は真っ青だった
もぞもぞ動き始めてようやくブランケットがかけられているのに気がついた
それでもスコールは大きなソファから起き上がろうとしなかった
カーテンから見る外の光はふんわりとあたたかそうであった
久々にサイファーと休みが一緒になった
今年の夏の暑さは異常なくらいで
スコールは冷房でキンキンに冷えた部屋から出る気になれないでいた
そんな暑い日がつづくなか、サイファーの部屋の冷房が壊れた
あまりの暑さでやられたらしい
しかしその故障はサイファーだけではなかった
冷房のかけすぎなのか、使い過ぎなのか
ガーデン内のあちこちで故障がおきていた。
寿命なのかもしれないな、とぱたぱたと仰ぎながらスコールは
冷房の壊れた部屋の中にいた
「シヴァをジャンクションすれば冷えると思うか」
「はあ?こっちが凍死するぜ」
そう言いながらサイファーは冷たい麦茶をスコールの顔に押し当てた
冷蔵庫で冷やされたそれは一気に体の体温を奪っていった
最初は海かどこかへ行こうかと思った
真夏の海も悪くはない
しかし暑かったのだ
スコールは最初、自分の部屋にひきこもるという提案をした
そしたらサイファーが部屋の掃除をすると言ってその提案を却下したのだ
その結果、スコールはサイファーが掃除している間、彼の部屋でだらだらすることを決め込んだのだ
「ああ、サイファー暑いな」
「暑い暑い言うな。他に言うことねぇんかよ」
「ねむい」
「さっき寝てただろ」
カラン、とコップの中の氷が落ちた音が響いた
スコールは少し考えた後、またソファに埋もれこんだ
「サイファー」
「んだよ」
「じゃあ抱きしめて」
サイファーは目を丸くした
「暑さでついに頭がいかれたんだな。おめでたいことで」
「結構本気だ」
スコールはそう言って天井に向かうようにサイファーに向かうように手を伸ばした
「まあ、こういうのも悪かぁねぇな」
サイファーが笑った
スコールは満足したように腕を絡めた
まだ光は白いまま差し込んでいた
暑さはまだ続きそうだ
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