log(0511〜0528)
0528

58文

『スコール』
太陽が似合うようなやつの周りが真っ暗だった
否、完全な闇
沈んでいくような、この闇の中心に彼が佇んでいるのだ

バッツが無表情で此方を見つめている。
スコールは手袋をしている手から汗がにじみ出ているように感じて、一歩ひいてしまったのだ。

『スコール』
ぼろ、
ぼろ、ぼろ、

『−ッ!!』
二度目に名前を呼ばれた瞬間に、まるでスローモーションのようにバッツが崩れていった。
失う恐怖
俺は、俺は・・・、


「スコール?」
目を見開いた先に、心配そうに見つめるバッツの姿があった。
・・・・・・なんだ、さっきのは
全身から汗が吹き出ているような体の熱さだった。
俺は起き上がって、彼の手を思わずはねのけた。

「・・・・・すまない、一人にしてくれ」
「スコール?どうした?」

―――


サイスコ文

「じゃあな」

「・・・・・・」
「・・・チッ、ミノムシ野郎が」

そして人の気配がなくなった
ミノムシとは、相変わらず失礼なやつだ
実際シーツを頭からかぶっているから間違った言葉ではないのだが。

先程まで部屋にいたサイファーは長期任務に出かけた。
長期と言ってもたった7日間だけ
彼にしたら長期に分類されるのだ

「・・・・・・・(帰ってもこのままなのか)」
あまりにも些細な、くだらないことでケンカをした
理由も忘れるぐらい些細だった
しかしケンカをしてしまった手前その事実を消すことは出来ずに先程の結果となってしまったのである
スコールも謝らなければと何度か試みたのだが、ついに言葉に出す前にサイファーは出かけてしまったのである。

―7日間なんてすぐだ、その時は必ず・・・



そう、必ず・・・・・



「・・・・・サイファー・アルマシー」
怒鳴りたい、怒鳴りたい、それを抑えて続けた
「何をどうやったらこんなことになって帰ってくるんだ。
10秒以内に答えないと、バハムー「だぁーッ!ちょっとは俺の話も聞けって!」


7日間を過ぎることなく、彼は帰ってきたのだ。
任務は完璧にこなしたらしいが、余計な手土産つきだった。
あばらを折ったらしく、起き上がるどころかほぼ動けないままベッドに横たわっていた

―どうやったらこんなに負傷して帰ってこれるんだ
―さらに心配事を増やさないでくれ
どんどん眉間に皺が寄っていくのをサイファーも気づかない訳がない

「いや〜ちょっと指揮官殿にカッコいいところを
見せようとしたら「その減らず口を今すぐふさいでやろうか?」
目が笑ってない
サイファーはいつまで経っても自分から負傷した原因を口にしようとはしなかった。
聞こうとすればこうやって茶化されてしまう

「いてて・・・・いや、別にお前が怪我した訳じゃないんだから、」
―そういう問題じゃない!
スコールはずっと立ち続けていたが、気が抜けたのかベッドサイドに座り込んだ。


「・・・・・・・・すまなかった」
「あぁ?」
「この前の・・・・」

あー、と思い出したのかそれとも忘れたのか曖昧な声を出されてしまった。
それでも何とか振り絞って言葉を続けた。


「・・・・・・すまなかった」
「別にそんなに気にしちゃいねーよ。それより俺も悪かった」
気づけば右手をサイファーに握り締められていた。
このもどかしい感覚
どうやったら伝わるのだろうか?


―――
これ、多分最後だけ書いてない気がするんですよね、何となく。

0526

眩暈

 

今朝からずっと頭痛だった
足元はぐらぐらするし、視界はぼやけていた。

原因はわかっていた、しかしそれを認めたくなかったのだ


「スコール?」
「・・・・・・」
こんな時、一番気づいて欲しくない人物が目ざとかったりするのだ。


頼むから放っておいてくれ
スコールは出来るだけ顔を合わせないように地面を睨みつけていた
はやく離れてくれ、頼むから・・・・

す、と冷たいものが額に触れた
ずきずきと痛む頭痛が少し和らいだ気がした。
あまりにも不意打ちだっため、驚いたまま顔をあげた。

「ほら、具合が悪い時は言ってくれなきゃだめだって。
 ただでさえ、スコールは言わないんだから」

「別に悪くなんか、」

否定の言葉を述べ終わる前にガンブレードが手から滑り落ちた。
あまりにも自然に綺麗に滑ってしまったので本人も動揺してしまった。
このタイミングの悪さと言ったら酷いとかいう問題ではなかった。
スコールはしゃがみこんで手にとろうとしたときに眩暈がしたのか、ぐわあんと倒れた。

「スコール!?」


――――

これ、多分あと少し書いたらUPできた気がします。
そして次2つは水シリーズ。
余程書きたかったらしい。







光が差し込んで
コバルトブルーがきらきら綺麗で
まるで空から見放されたようにどんどん沈んでいく
深い暗い青色へと

「・・・・・ツ!・・・ッツ!!」

―あれ?

「バッツ!!」
「ス、こ・・・・・ル?」
視界はスコールが独占状態だった
それも酷く乱れた顔をしていて、いつもクールな彼にとっては珍しいことである。

「・・・・・・はは、ひっどい顔して、ん、な」
「・・・・・・・・」
よく見ると前髪からぽたぽたと水が滴っていた
あー水も滴るいい男ってやつかーとか考えてたら、

「死にたかったのか」
と小さな声で囁かれた。
スコールは今にも泣き出しそうな子供の顔をしていた。
ああ、こんな表情もするんだなぁ
やっぱりまだ子供なんだ


「いやそんな訳じゃ・・・」
ようやく声が出てきた。
そしてそのまま濡れている彼の顔に手を伸ばしてさすった

「おれはスコールを置いて、どこにもいかないよ?」
――――

「あ、湖だ!」
―バシャンッ

スコールは茫然としていた。
湖があれば、どこでも飛び込むのか・・・・・
発見した張本人はすでに湖に浮かんでいた。

「スコールも入ればー?気持いいぞー!」
「・・・・(入る訳がないだろう…)」
スコールは水辺の近くに座り込んで、ひたすら泳いだりして遊んでいるバッツを見つめていた。


しばらくして、眠気が襲ってきた
バッツは先ほどよりも遠くに泳ぎに行ってしまったようだ。
そろそろ戻らせるか…

「バッツ!そろそろ上がってこい!」
「はーい」
声が小さく響いた。
余程遠くにいるのだろうか、
バッツの姿が先程よりも小さく見える

―ちゃぽん
「・・・・・・・・?」
立ち上がってバッツの方を見た。
気づいた瞬間ジャケットを脱ぎ捨て湖へと飛び込んだ。

中の水はとても澄んでいて光が綺麗に差し込んでいた
―こんな冷たい中にいたのか…
なのによくこんなに入っていられたな、と驚いた
いや、今はそれどころではないのだ


異変に気付いた直後、バッツは音を立てずに沈んでいったのだ


衣服が水分を含み、なかなか思うように進まない
手を伸ばしながら沈むバッツの姿を見た時は心臓が止まる勢いだった
無我夢中でその手をつかんで上へあがった。


「・・・・・っは!」
「・・・・・ごぼ、げほっ・・・・・はぁ・・・・あぁ・・」
ゆっくりと先程の場所へと戻る
バッツを引き上げて自分はそのまま、倒れこんだ
―――



多分これを書いてた時、そうとうバッツを水の中に入れたかったらしいです。


0525

「あんたなんか大嫌いだ」

「俺は大好きなんだけど」

まるで子供のけんかのように彼は大声で叫んだ。
今ここにいるのはいつもの冷静じゃないスコール

そんな彼も好きの一部


「嫌いだ、」

同じ言葉を繰り返される
しかし、彼の目線は自分じゃなく、地面へとむかっていた。
ただ、こっちを見て欲しいだけなんだけどな、
そんなこと言ったら笑われるかなぁ?

「そんなスコールも大好き」


「・・・・・・よくそんな恥ずかしいこと「恥ずかしくないよ」

彼の言葉を遮った。



「どうやったらスコールが俺を見てくれるか、それだけだから」

そのためなら何だってするさ



あの驚いたスコールの顔は
今でも忘れられない
――――






以下吸血鬼パロです。
パロが苦手な方はここで終わりです。














「スコール!」

「スコール!!」


俺が持っていたナイフで、彼は自分を貫いた。
流れる血液
閉じたままの瞳
雨はまるで泣いているかのように降り続けていた。

俺は狂ったように彼の名前を呼んでいた

頼むから目の前から消えないでくれ!
スコールスコールスコール!


自分の血を吸っただけで彼は自ら命をたってしまった
スコールが生きるためなら、血液ぐらいなんのこともなかったのに




・・・・・・・血液?





「スコール・・・・俺、」


そうだ、彼は吸血鬼なのだ


――――



生きているのか、生きていないのか
まるで海に、水中に浮いているようなそんな感覚が体を支配していた。
周りは完全な闇でしかなく

やはり死んでしまったのかもしれない
死ぬ、という概念があまりないから、消えた、という言い方の方が正しいかもしれない


『・・・・・・・』

―バッツ


何を考えても彼しか思い浮かばない
自分は彼の血液を摂取してしまった

久々に得た液体
何よりも欲するそれは、まるで毒のように頭を支配していた。

スコールはひたすら後悔していた。


もし、己が人間に近い者であったらなら、
もし、もしも、

もっと彼に触れることは出来たのだろうか
しかし、今となってはもうどうすることもできなかった。

このまま消え去るのだろうか


どうか、彼が、生きていますように






「・・・・・・・はぁ、はぁ」


―ザアアアアアア

止まない雨
血の匂い


・・・・・ちのにおい?


スコールは目を見開いた。



「・・・・・ばっ・・・・つ?」

先程よりも体が大きく震えた。
――――



0521

電車ネタ58の続きです。
にしてもまだバッツが出てこないというミラクルがおこってます。







スコールはひたすら壁にかかっている広告の方に視線を向けて、電車に揺られていた。
一駅一駅の間隔は距離にしてしまえば短いのだろうが、止まる度に入ってくる人に余計にイライラさせられた。

「ぁ、」
そう言えば、今日は小テストがあったな?
カバンに入っているであろう、化学の教科書を引っ張り出した。
教科書自体は小さいため、顔に近づけて頭をすぐに化学式へと切り替えた。

―ガタン、ガタン
あぁ、今日は運転が荒いな、
片手に教科書、もう片手にはカバンを持って壁に寄りかかっているが
身長のせいか変な場所に頭をぶつけて余計にイラついてしまった。


―ガタン、ガタン

「・・・・・・?(何か、)」


―ガタン、

「!?」

スコールはあることに気づき体を硬直させた。


――――


0520

58というか、5←8になりました。




『スコールのことが心配なんだよ』


「……(ほぼ初対面だろう?)」
座り込んで、黄色い羽根を見つめて悩んだ。

そこまでずかずかこちらに踏み込まないで欲しい
そもそも、これを受けとってしまった自体が不覚だったのかもしれない


これはいつか返さなければならない
ということは、最低でも彼には1度会わないといけないのだ。
スコールは眉間にしわを寄せて羽根をしまった。

―足を引っ張って失ったら、恐怖以上の何ものでもないな


気づいたら、足が動いていた。
はやく、任務を遂行して返しに行こう
そして早く楽になりたいんだ、この重い気分から



そんなことをあいつに言ったら
どんな顔をするだろうか。

それでも彼は笑うだろうか



―――――

0514

『スコール!』

『なんだ』




『俺と結婚してくr『ヒールクラッシュ!!』

ってスコールに技くらって、起きたらお前の足が俺の頭の上にあった」

あははは、びっくりだよなーというバッツにスコールはため息が出た。
そもそも、バッツの頭が俺の足のところにあった、という表現の方が正しい

―それもそんな恥ずかしい夢を見ていたのか・・・

「・・・・とりあえず、どいてくれ」
「えー」

「バッツ」

スコールが力ずくでバッツをよけようとしたら、思いっきり腕を掴まれ
顔をしかめた。
・・・力をいれすぎだろう?


「スコール俺とけ「ファイア」



その後、しばらくバッツの前髪はちりちりになっていた。
――――

全力で照れるスコールを目指したらこんな話に。


0511


現パロなので苦手な方はここで終わりです。ばっちこい!な方だけどうぞ。
この前のえちゃで出た電車ネタなんですけど、スコールしか出てない、まだ本当にはじめのはじめの部分なのでご注意下さい。

現パロ58
バッツ→会社員
スコール→高校生


実際バッツを大学生にするか社会人にするか迷ったり迷わなかったり







「最悪だ・・・」
今日は寝坊してしまい、いつもよりも遅い電車になってしまったのだ。
普段から満員電車を避けるために早めに出ていたのだ
今日に限って寝坊したのだ。

―・・・昨日暑苦しくて眠れなかったからか、ああ、くそ

乗ろうとした電車に一歩ばかり乗れず、さらに遅くなった。
駅のホームは人でごった返していてそれがさらにスコールの機嫌を悪くした。


ようやく乗り込んだと思えば、
人があふれんばかりに乗り込んでくるので車両の隅へと追いやられる形となった。
・・・・壁に寄りかかれるだけましか、
スコールは携帯をぱちん、と閉じて目をとじていた。
すると駅員がさらに押し込んだのか、周りとの距離が密着するぐらいになってしまい眉間に皺がよった。

さらに後ろに居たサラリーマンが、大きいバッグを持ってスコールのもとへ迫ってきてしまい
ちょうど角のところへとぴったりはまる体勢になった。

「・・・・(こんな満員電車にこの大きさの荷物なんて)」
俺は壁に向かうようにして立っていたが、そのサラリーマンの荷物が腰あたりまで迫っていて余計に不快になった。
しかしその荷物のおかげで、周りの人とは密着するような事態は避けられたのだ。



―――
前置きが長すぎて自分でげんなりしました(汗)
バッツが出てくる前に強制終了です。





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